開催にあたって ーサイエンス・フェスタ2024ー
第33回サイエンス・フェスタの
開催にあたって
大会委員長
豊田 岐聡
 「青少年のための科学の祭典大阪大会」は,1992年(平成4年)に第1回を開催してから本年度 で第 33 回大会を迎えます.子どもたち・若者の「理科離れ」を克服し,理科好きの子どもたち,若者 および保護者の方を増やすことを願って毎年開催してきました.特に,大阪大会は若者が前面に出 て活躍する企画に長年取り組んできました.今ではこれが大阪大会の大きな特徴になっています. 若者の活躍を全面に出す「科学の祭典」には,まさに「青少年のための」という言葉がよく当てはまる と考えています.
 2020年1月以降の新型コロナウィルス感染症の拡大により,2020(令和2)年度は開催を中止, 2021(令和 3)年度はオンラインでの開催とせざるを得なくなりましたが,2022(令和 4)年度から 大谷中学・高等学校を会場に対面での開催ができるようになり,2023 年度は 12000 人と多数の 方が来場し,大盛会でした.本年度も大谷中学・高等学校を会場に対面で開催することになりました.
 新型コロナウィルス感染症の感染拡大で,世界中で生活様式が大きく変わりました.教育の場に おいても,インターネットを活用した授業の実施や,様々な活動に対する制約も発生しました.そこで, 本祭典では,「ポストコロナ時代」を生き抜いていかねばならない「青少年」に活躍してもらえる場を 提供しようと考えています.中学や高校,大学,企業などが実験ブースや講演会を開催するほか,ダ イナミックな実験を披露する野外実験ブースも開設します.「科学のおはなし」では,大阪大学総合学 術博物館の伊藤謙先生に「阪大のマチカネワニ 〜発見から伝説の龍までのお話〜」の講演をお願 いしました.1964 年に大阪大学豊中キャンパスの理学部校舎の建設現場で発見されたワニの化石 が,「マチカネワニ」と名付けられました.マチカネワニが空想上の生き物である『龍(ドラゴン)』だっ たかもしれないという説が注目を集めており,辰年の本年に相応しい内容と考えています.マチカネ ワニ化石のレプリカを持参いただけるとのことで,見たり触ったりしてもらいながら解説をしてもらえ るとのことです.科学の楽しさを知る良い機会になることと思います.また,ここ数年は定期的に韓国 からの出展がなされ,本祭典は日韓の青少年の国際交流の場としても大きな役割を担っています. このような変革が必要とされる時にこそ,科学の祭典が,科学・技術の面白さや素晴らしさを体験 できる機会になると同時に,科学・技術に対する認識や科学・技術と社会の関わりを深く理解する契 機になることを願っています.
 最後に,この大会は下記の諸団体の協力を得て実行され,関係各位に深く感謝申し上げます.
「青少年のための科学祭典」大阪大会実行委員会
公益財団法人 日本科学技術振興財団
日本物理教育学会近畿支部
一般社団法人 日本物理学会大阪支部
読売新聞社
令和6年度 科学研究費助成事業 研究成果公開促進費(研究成果公開発表(B))24HP0005「青少年の創造力とこどもの想像力を育 む科学実験と工作教室」