実行委員長挨拶 ーサイエンス・フェスタ2024ー
サイエンス・フェスタ開催に際して
八木 秀浩
 今年は梅田から阿倍野に場所を移して3年目。いよいよ出展数も60を超え、コロナ禍以前の規模まで戻りつつあります。1992年12月に始まったサイエンス・フェスタも、幾度となく開催時期や会場を変えながら、33回目を数えることとなりました。これもひとえに協賛・後援などいろいろな形でご協力いただいた諸団体の皆様と、本大会の実現に粘り強くご尽力いただいた関係者の皆様のおかげであります。改めてお礼申し上げます。
 出展内容全般をみますと、近年は理科(物理・化学・生物・地学)と数学の5分野を網羅するかのような、多種多様な出展がなされています。それらの中には本大会以外でも披露されているような定番ともいえる実験もあれば、もしかしたら多くの方にとって初めて体験されるような実験もあるかと思います。また、なかなか個人では再現できないような野外で行われるダイナミックな実験もございます。参加者の皆様、とりわけ若い世代の皆様には、熱中症にならないよう各個人のタイミングで水分補給をするなど十分留意されたうえで、会場の隅から隅までを目で見るだけでなく、音を聞いたり、においをかいだり、感触を確かめたり、と感覚器をフル活用して本大会をお楽しみいただけたら幸いです。
 この夏のパリオリンピックでは、スケートボードや体操、競泳などで出場していた10代の代表選手達が世界各地の代表選手を相手に挑戦するその瞬間を、日本中が固唾をのんで見守っていたのではないかと思います。その姿は当該スポーツの経験の有無を問わず、観戦者の心を動かす力を持っていたように感じました。
実行委員としては、サイエンス・フェスタでの体験もオリンピック同様に出展者と来場者の皆様双方にとって、身の周りで起きる物事の見方を変えたり、興味関心を持つきっかけになったりすることを期待しております。そうして生まれた小さな好奇心が大きな発見に繋がったり、ふと抱いた小さな疑問が未来を変える大きな一歩となったりするかもしれません。それぞれが感じられた科学の楽しさや面白さを、またいつかの出展者(または補助役)やこういった場への引率者として次世代の青少年に伝えていく、そんな繋がりが今後も続いていくことを祈念しております。